Windows10時代に使うコマンドプロンプト

2017年も残すところあと21日。
こんにちは、この記事は、アクトインディ株式会社の2017アドベントカレンダー12月9日(土)のブログです。
みなさん真面目な会社のことや、役に立つことを沢山書かれているので、そうでもないものを記載させていただきます。

最初に使ったOSはMS-DOS5.0A-H(PC-9821-BSバンドル)でした。当時からファイル操作はDOSが一番便利だったし今でも使っていたりします。


え?
そもそもWindwos10であのDOSの画面ってどこで出すんだ?

1.エクスプローラーを普通に出してみる。
dos01

2.直接打ち込む事もあまり無いだろうフォルダ名が出ているところにカーソルをあてて、実行ファイル名を入力すると環境変数でpathが通ってるexeはちゃんと起動できる。
dos02

3.ほら!出てきた。
dos03
※追記※ Windwos10の左下の窓マークを右クリックして「コマンドプロンプト」を選んでも出てきます。

・・・で、何ができるの?(すでに普段使ってるから何が便利なのかわかっていない)
パソコンを使って作業をこなすのは昔から慣れていた方だと思っており、そこで、「これ使えんじゃん!」と言われた操作方法を1つだけ書いておきます。

◯数百のぐちゃぐちゃのファイルから、指定のファイル(Excel)を抽出して、CSVの1つのファイルにする方法
よくあるのが、データをExcelで企画側の人が作成してくれたのですが、システム的にインポートするにあたり、結局1つにまとめなければならず、手作業が沢山発生してしまうなぁという場面、あると思います。

例として、資産管理しているExcelが事細かにシートにわけられていて、経理ツールにインポートしなければならないが、総シート数がおそらく数十あるのが分かっていて途方にくれている人を助けた場面を書いておきます。

とりあえず、ファイルを確認すると…
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なるほど5つあるようだな…
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とりあえず、Excelを全部CSVにするか。いつものExcel一括CSVソフトで一発でCSVにするか…

とりあえず、元ファイル消してしまったらマズイので、まずはコピーするか…。
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さっさと全部CSVにするか…
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さて、CSV全部できてるかな…あぁ、たくさんあるようだな。次はこれを1つにか…まぁすぐできるか。
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普通にcopyコマンドで1つにするか…
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CSVファイル開いて確かめてみるか…
あぁ軽く6万行超えてるのか…
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■おさらい■
(1)まずは該当ファイルのみをどこか適当な場所に保存する
 →これはエクスプローラでもOK
(2)エクセルをCSVファイルに一括変換する
 →これはフリーソフトを使う
(3)CSVファイルをcopyコマンドを使って1つのファイルにまとめる
 →cmd.exe起動して、コマンドプロンプトでCOPYコマンドですべてのファイルを結合する。
(4)開いて成功しているかチェック
 →生成されたファイルを見てみる。
(5)無駄な行やらなんやらを消して整形する(ここは手作業で頑張る)
 →頑張る

ほんの一例ですが、何かデータを加工したりまとめたりするときには、Excelのみで何とかしようとせず、AccessSQL書いたり、コマンドプロンプトを使ったり、フリーウェアを検索しまくって使ったり、やることの全体像から最短ルートをいつも考えます。

最短ルートを考える時でも、「文系」側の方々はGUIのみで考えがちかな、と最近思っています。CUIの利便性はファイル名を一定条件で一覧をテキストにできたり、「ipconfig /all」や「tracert」などのネットワーク不調の原因を簡単に調べられたり、まだまだ利便性を失っていないツールだと思います。ぜひ、選択肢の1つであり続けていて欲しいです。

効率良い方法を探す時間よりも手作業が早ければ手作業を気合でやればよいし、効率良い方法を知っていれば、効率よくやれば良い。
良い方法が無いかと思うときは時間を決めてとにかくググる。そして詰んだら迷わず、パソコン好きな人(詳しい人)に電話。
なるべく頭を使う仕事に時間を割くために、最短の作業時間にすることを心がけて効率よく作業をこなしたいものですね。


エンジニアさんのお仕事の無形固定資産ってどうやって計算しているの?

こんにちは。このブログはActindiのアドベントカレンダー2018 14日目の記事です。

ググってもあまり出て来ないので書いていこうと思います。アドベントカレンダーを若いエンジニアさん見る機会が多いと聞いたので、企業会計の視点で2点、書いてみようと思います。

・エンジニアさんのお仕事は営業さんと違って会社のコストのかかり方が違う。
・会計上どういう扱いかを考えて、会社の数字の集計・計算しています。

 

エンジニアさんのお仕事に対してお金を支払った金額のすべてがその月の給与支払いとして「お金がかかりました!」と会計処理していないことをご存知でしょうか。

例えば、当社の事例。昨年度、「いこレポ」という記事サイトを、お出かけ情報メインの「いこーよ」とは別のサイトとして開発をしました。この時、いこレポを作ったエンジニアさんのお給料は「すべてその年度に掛かったコストです!」と言ってよいと思いますか?

答えはNo。そんなことしたら、会計ルールを逸脱して、最悪脱税と税務署からみなされるかもしれません。というのが、会計の原則の考え方になり、「発生主義(=実態を捉えてね)」とあります。

●例えばこんな話

当社は、「いこレポ」という「いこーよ」派生のニュースサイトがあります。ずっと続けていって、記事もたくさん増えて、収益を今後拡大していく予定です。その、基礎開発を半年かけて行おうとサイトを制作しシステムを開発しました。これらのシステムは1年でなくなるものではありません。おそらく5年(60ヶ月)くらいは使います。

だとすると、5年間は使い続けられるシステムを1年間のコストとしていいんですか?実態と遠のくので、開発に掛かった費用が600万円だと仮定すると、5年、つまり60か月で按分した金額が、本当のコストにしましょうよ。そうすると実際のコストに近いよね。

というのが会計の基本になり、エンジニアさんのお仕事で発生する人件費は、すべてその年のコストにならないという事が起きます。

言い方を変えると「負債を後伸ばしにしている。借金を背負っている」ともいえるかもしれません。さらに別の言い方を変えると「投資をしている」という事にもなります。ここらへんは、この人のこれとかこの記事とかを見るとわかりやすいですね。

●今日した仕事のお給料は会社でどういう扱いなのか

今日やったお仕事は、当月コストなのか、向こう5年に渡ってコストとなるのかを知っていると自分の仕事がその年限りの「収益を稼ぎ出す瞬発的なもの(=費用)」なのか、5年先まで収益を稼ぎ出すものとなる「長期的な自動販売機の設置(=資産)」的なものなのか、知ってると、あぁ未来のために頑張ってるんだなぁ、とか、今を大事にしてるんだなぁという捉え方ができたりするかと思います。

どちらも大切ですし、会計ルールの解釈によっては役割分けを担当ベースでしていることもあるので、良い悪いはないです。が、知ってると自分の価値がどこに活かされてるか、お金の面でとらえやすくなることは知っておいて損はないと思います。

●具体的にどんな仕事は資産でどんな仕事は経費なのか

具体例をガンガン挙げていったほうが分かりやすいと思うのでひたすら列挙します。ただし会社によって(≒法律の解釈によって)当てはまらないこともあるのでそこはご了承のほどを。基本は、1は経費で2が資産です。

1.データが間違って格納されてたのでそれを削除した
2.データが間違ってたので、ずっと使い続けられる削除するシステムを作った

1.入札制広告の最低単価を下げる為に、最低単価テーブルのデータを変更した
2.最低単価テーブルがそもそもなく直書きだったので、DB参照するようにコードを書き換えた

1.営業さんが1,000万円で3か月間のタイアップ広告を受注したので、その仕様に沿って広告掲載に必要な制作と一部必要なシステムを作った
2.広告掲載をするにあたって、法人へ提供している管理システムに大幅なバグがあった為、修正した。

厳密には、そのアウトプットがすべて資産です!または、そうじゃないです!とは言い切れず、内容で変わってくることがあります。

 

●アクトインディではどうやって管理してるの?

とても単純です。エンジニアさんの作業はすべてRedmineで管理しています。自分自身の研究活動も、セミナー参加、社内MTGなどもです。

 

毎日行った仕事は、すべてチケットの何をしていたのか、に紐づくためすべてかかった時間を入力してもらっています。

 

そうすると、全体の集計として、担当者×作業内容×日時×時間数で、INPUTの8割が完成します。ここから、チケットの内容をすべて見て「うーん、これは資産とそうではない作業が1つのチケットになってるなぁ」というものを、2つまたま3つのチケットに分割します。

その後、この作業って資産になるかな?ならないかな?何のプログラムなんだろう?あ、AWSの調整してるだけか… あ、結構大規模に改修してるな… 機能追加か… など思いながら、資産かそうではないかを「仕分け」ていきます。チケットの本数×作業レコードなので、1万…よりは少ない4桁です。

資産と該当する作業内容を「固定資産品目」の過去のものと照らし合わせ、会計上そして実態と近くなるよう、作業を分類し、プロジェクト名などを基本として予め計画していたプロジェクト単位を基本に、資産名称に振り分けていきます。

その後、お給料(=時間単価)が人それぞれなので、資産該当時間数×人×単価の掛け合わせたものの合計値で、ようやく無形固定資産の金額が出てきます。

このほか、研究開発費の計算や、現状の資産の廃棄(過去のコードを完全リニューアルしてしまった場合「廃棄」となるものが出たりするので)を確認したり、事業としてスタートするのがいつなのか、の確認をしたりしながら会計の根拠資料を作成していきます。

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※決して雑にならないように、適度に休憩を取りながらプロセスの見直しも含めて、粛々と皆様のお仕事に感謝して集計しています。

 

●最後におまけ「新しいシステムを作ることは、投資です」

「来年スタートするサイトを作っています。」よくある一言ですが、そのお給料は、会計上の視点では、未来を信じてお金を稼ぎ出すだろうシステムを見据えて、前倒して会社はお金を支払っています。

逆に、5年前10年前の人が作ったシステムで稼いでいるお金を、お給料に充てることができているから、未来に役に立つお仕事ができていることになります。

一方で、既存のシステムの運用・運営も大切なことです。むしろ成熟したサービスになればなるほど、既存の維持工数は大きくなることが多いと思います。現状、先代の資産をメンテナンスや運用することで、未来への投資ができるわけで、今を大事にすることは最も重要なタスクの1つです。

資産となる場合、自分の1時間が、60か月後までお金を稼ぎだす一部として残り続けるという事を知っておくだけでも、きっと丁寧に深くそして後工程を考えながらコードを書いていこうという優しい気持ちによりなれるのかな、と思います。

経理・会計に関するルールが変わることは多々あり、2018年12月14日現在の情報で書かかれています。また、会計・経理の視点では、厳密にはそうとは限らないという表現も一部含まれています。あらかじめご了承ください。